決断力
「決断力」羽生善治
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決断力 (角川oneテーマ21) 著者:羽生 善治 |
新年一冊目
茂木健一郎との対談も多いので、読んでみた
無理やりビジネス書にしようとしているのが鼻に付くが、
随所にトップ棋士ならではのメッセージがあり興味深い
『ごちゃごちゃ考えない』
驚くことに、トップ棋士といえども、10手先の状況さえ予想できないということが書いてあった
それは、建築家が設計図を見てすべてを想像できるわけではないということに近い
ある直感が大切だという認識は、将棋も建築も、おそらくほかの分野にも共通することであろう
そんなランダムな雲を掴むような状況の中、上記の言葉は意味を持つ
シンプルに考える
軍隊用語で「KISS(keep it simple,stupid)」とも呼ぶこの考え方
なんにでも使える言葉じゃないだろうか
生活も、建築も、文章も、ファッションも、重要なことは、シンプルに考えることだと強く思うのだ
特に、情報がはいて捨てるほどある現代では、自分の頭の中は常にスッキリさせておきたい。
著者も『歳をとっていくと、思考の過程を省略していく方法が身に付く」と語っている。
感心したのは
『むやみに趣向をこらすのが好きなわけではない。趣向には思想がなければならない。やたら目新しさで度肝を抜こうとするのではなく、その奇手が新たな地平を開拓する一歩でなければ、ただのこけ威しにしすぎないだろう』
というくだり
街にあふれるキバツな建築に違和感を感じるのはそこに思想がないからではないか
ってなことを将棋の世界から気づかされるという体験自体面白い
根源的なものを追っていくとどんな分野でも大事なエッセンスは同じだ
そう考えると、茂木健一郎の考え方がこれからの時代大事になってくるのではないかと思えるのである
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